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【メモ】
・『あなた買います』小林正樹・監督、佐田啓二・主演(1956年作品) ・国分拓『ヤノマミ』NHK出版, 2010年3月 PR
3/7読売新聞から。
「子供向け金属アクセサリー、6割以上に高濃度鉛…都が調査」(リンク) 記事は、都の調査で、子ども向けの輸入アクセサリーの多くに高濃度の鉛が含まれていることが発覚したため、製造や小売り段階での注意喚起を呼びかけたというもの。 最近のオモチャはほとんどPbフリーの安全基準によって守られているが(最近、中国製のオモチャの塗料に含まれていたという報道もあったが)、玩具でも食品でもないアクセサリーには、STマーク(玩具の安全基準)も食品衛生法等も適用できない。 しかし、本来口に入れることが想定されていないものでも、子どもなら口にしてしまいかねない現実の前には具体的な対策を講じなければならないのは当然のことだ。 都が求めた対策と、現行の東京都青少年健全育成条例とを比較してみる。 1【鉛の使用量規制という提案】 都が「鉛の含有量に規制を設けよ」と提案しているのと同じく、漫画の性表現だって、すべて許されているわけではなく、すでに「不健全図書指定」という形で、都は枠を設けている。 2【鉛含有の警告表示提案】 業界は自主的に成人指定マークをつけている。書店の多くも「成人コーナー」を設け、ソーニングしている。もちろん、自主規制なので完全ではないが、それは現行の青少年保護育成条例内で規制できる。 3【販売店、保護者への注意喚起】 2にもあるように、販売店は18歳未満の青少年に「すべての」ポルノを売ってはいけないし、親には、周囲の大人には、子どもがそれを、つい読んでしてしまわないように気をつける義務がある。常識だ。 今回の青少年保護育成条例改悪は、鉛にたとえるならば、「すべてのアクセサリーから鉛を排除しよう」とする考え方に近い。でもそんなことは不可能だし、鉛には鉛の有用性があるのだ。そして、長期間、相当量の鉛を摂取しなければ害は少ないわけだから、現行法下で、人々の努力によって、子どもが深刻な鉛中毒に陥る被害は食い止められるわけだ。 ここで、「じゃあポルノに有用性があるのか」という人の出現が予想されるが、その有用/無用を権力側が恣意的に判断することは危険だ。すでに、猥褻表現に関しては統制が行われており、私はそれにも反対だが、いま最大限できるのはその適用範囲を拡げないことだ。 ……と、ここまで整理のために書いたが、3/23産経「【主張】漫画児童ポルノ 子供に見せないのは当然」の記事はメチャクチャだなあ。だって、今回の改悪案は「18歳未満の非実在人物『を』」規制対象にすることなのに、この記事では「18歳未満『に』」ポルノを見せる害毒と、完全に混同しているもの。意図的なものなんだろうか?
産経新聞【主張】「漫画児童ポルノ 子供に見せないのは当然」(記事リンクはこちら)
青少年健全育成条例の改悪案に賛成する内容。 理由は「(少女強姦や近親相姦を描くなど)社会規範に著しく反した内容の漫画やゲームソフト」を「18歳未満の小中高校生らに見せないようにするのは当然ではないのか。改正案は妥当である」だからだ、とする。しかし、それはもう現行条例で規制されてるのだ。 ・第七条「図書類等の販売等及び興行の自主規制」 ・第八条「不健全な図書類等の指定」 ・第九条の1〜3「指定図書類の販売等の制限」「表示図書類の販売等の制限」「表示図書類に関する勧告」 そして、第四条に「都の責務」「保護者の責務」が定められている通り、両者にはそれを監督する責任が伴っているのだ。ということは、子どもにそういうものを見せない「常識(私もそう思う)」が守られていないのは、大人が監督の責務をまっとうしていないからに他ならないのであって、法の網を拡げることとはな〜んにも関係がないのだ。 だから、記事にあるような 「都小学校PTA協議会の会長によると『子供が持っていたかわいい表紙の漫画を開いてみたら児童ポルノだった』などの保護者からの苦情が後を絶たないという」 なる事態は、現行法下において、販売者、保護者、都、が管理責任をまっとうしていないから起こっているのであって、責めを負うべきは子どもにそんなものを読ませた件の保護者、書店(もし販売時の年齢確認やゾーニングを怠ったことが確認されればですよ)、そして都なのだ。 この産経の記事にはこうある。「『表現の自由』を持ち出した批判は論点をすり替えていないか」と。まさにその言葉を当の記者に贈りたい。
朝日朝刊「漫画の性描写、都規制案 結論先送りの方向」
本日の朝日朝刊ほかでも報じられた通り、都の青少年健全育成条例改悪案は3/30の可決を先送りされる方向へ動いているとのこと。(asahi.com記事へ) ところで、3/16付読売新聞online記事は次のように報じています(一部抜粋)。 「東京都が、18歳未満の青少年の性行為を描写した漫画やアニメの販売やレンタルを規制する青少年健全育成条例の改正案を都議会に提出したことについて、漫画家の里中満智子さんや、ちばてつやさんらが15日、反対する記者会見を開いた。 里中さんらは「規制によって、出版が事実上制限され、日本が誇る漫画・アニメ文化が衰退する」「悪い漫画といい漫画を区別できるのか」などと訴えたが、都青少年・治安対策本部は「すべての性描写が規制されるわけでなく、大人への流通も制限されない」として、漫画家の創作活動には影響しないと反論している。」(3/16付読売新聞online) しかし、記事中の都側のコメントは正しくない。改悪案にはつぎの一文が盛り込まれているからです。 「第十八条の六の四 何人も、児童ポルノをみだりに所持しない責務を有する。」 つまり都の説明では、「販売やレンタル」を規制するというが、実際は「単純所持」が盛り込まれていることが一つ、もう一つには「大人への流通も制限されない」と説明がありますが、「何人も」とある限り正しくありません。 意図的な錯誤なのかどうかはともかく、「18歳未満の性行為を」見せていけないのか、「18歳未満へ性行為を」見せてはいけないのか、にさえ理解の混同が見受けられる説明であり、記事なのです。 【ジャーナリズムはニュースの本質を】 15日の会見に同席した知人の話によると、ある記者が永井豪に「今回の改正案ではあなたの作品は引っかからないと思いますよ」という趣旨の発言をしたそうです。もしそれが本当であれば、ジャーナリストとしての資質さえ疑います。 今回の改悪のいちばん大きな問題は、都がいかなる「意図」を説明しようが、条文を読む限りこの条例は恣意的に濫用可能であることです。権力の濫用を市民の先頭に立って監視するのがジャーナリストの役目であるのに、それを果たさないばかりか、権力におもねるかのような発言と記事。 そもそもねぇ、これは漫画だけの問題なんかじゃなくて、思想信条、表現・言論の自由を侵しかねない、テメェの仕事を脅かしかねない事件なんだぜ? 【“オタク文化を守れ”は正しいか】 それともう一つ。反対運動の方法について。 内ゲバをやっている場合じゃないのは分かりますが、「条例改正によってコミケが開けなくなる」とか「いまや日本の誇る輸出産業構造の底辺を脅かす」といった論の張り方には強い違和感を覚えます。 アキバ系オタクを動員し、年寄りを煙に巻くためのロールプレイなのは分かりますが、この運動の核にあるシンプルな説得力を滲ませかねないからです。 トヨタのリコール問題同様、「産業と人の安全のどっちが大切なの?」といった、ファナティシズムに回収されてしまいかねないように思います。
・ジャック・ロンドン『ジャック・ロンドン自伝的物語』( 辻井栄滋 訳, 晶文社, 1986)
原題:Martin Eden ・野島久雄・原田悦子 編著『〈家の中〉を認知科学する 変わる家族・モノ・学び・技術』(新曜社, 2004) |
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