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朝日朝刊「漫画の性描写、都規制案 結論先送りの方向」
本日の朝日朝刊ほかでも報じられた通り、都の青少年健全育成条例改悪案は3/30の可決を先送りされる方向へ動いているとのこと。(asahi.com記事へ

ところで、3/16付読売新聞online記事は次のように報じています(一部抜粋)。

「東京都が、18歳未満の青少年の性行為を描写した漫画やアニメの販売やレンタルを規制する青少年健全育成条例の改正案を都議会に提出したことについて、漫画家の里中満智子さんや、ちばてつやさんらが15日、反対する記者会見を開いた。
 里中さんらは「規制によって、出版が事実上制限され、日本が誇る漫画・アニメ文化が衰退する」「悪い漫画といい漫画を区別できるのか」などと訴えたが、都青少年・治安対策本部は「すべての性描写が規制されるわけでなく、大人への流通も制限されない」として、漫画家の創作活動には影響しないと反論している。」(3/16付読売新聞online)


しかし、記事中の都側のコメントは正しくない。改悪案にはつぎの一文が盛り込まれているからです。

「第十八条の六の四 何人も、児童ポルノをみだりに所持しない責務を有する。」

つまり都の説明では、「販売やレンタル」を規制するというが、実際は「単純所持」が盛り込まれていることが一つ、もう一つには「大人への流通も制限されない」と説明がありますが、「何人も」とある限り正しくありません。
 意図的な錯誤なのかどうかはともかく、「18歳未満の性行為を」見せていけないのか、「18歳未満へ性行為を」見せてはいけないのか、にさえ理解の混同が見受けられる説明であり、記事なのです。

【ジャーナリズムはニュースの本質を】
15日の会見に同席した知人の話によると、ある記者が永井豪に「今回の改正案ではあなたの作品は引っかからないと思いますよ」という趣旨の発言をしたそうです。もしそれが本当であれば、ジャーナリストとしての資質さえ疑います。
 今回の改悪のいちばん大きな問題は、都がいかなる「意図」を説明しようが、条文を読む限りこの条例は恣意的に濫用可能であることです。権力の濫用を市民の先頭に立って監視するのがジャーナリストの役目であるのに、それを果たさないばかりか、権力におもねるかのような発言と記事。
 そもそもねぇ、これは漫画だけの問題なんかじゃなくて、思想信条、表現・言論の自由を侵しかねない、テメェの仕事を脅かしかねない事件なんだぜ?

【“オタク文化を守れ”は正しいか】
それともう一つ。反対運動の方法について。
内ゲバをやっている場合じゃないのは分かりますが、「条例改正によってコミケが開けなくなる」とか「いまや日本の誇る輸出産業構造の底辺を脅かす」といった論の張り方には強い違和感を覚えます。
 アキバ系オタクを動員し、年寄りを煙に巻くためのロールプレイなのは分かりますが、この運動の核にあるシンプルな説得力を滲ませかねないからです。
 トヨタのリコール問題同様、「産業と人の安全のどっちが大切なの?」といった、ファナティシズムに回収されてしまいかねないように思います。


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