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今日、神保町国技館で仕事をしていたらノックの音が。
 やおらスーツ姿の女性が入ってきて、
「お忙しいところ恐れ入ります。キャリアデザインセンターから参りました。この地区を担当させていただくことになりましたのでお名刺交換をお願いしております」
と名刺を差し出された。

 新卒といった感じ。よどみないセリフだが、少しぎこちない笑顔のなかに研修で無理矢理こさせられた「例のあの感じ」が漂う。こういうタイプは時々回ってくるから慣れっこだ。証券、印刷、コピー、いつもなら「いや、間に合ってますから」などと体よく帰ってもらう事が多い。
 しかし今日は少し違う。「キャリアデザインセンター」って何よ?

 差し出された名刺に一瞥をくれて、「いや、ちょっとご用件が分からないんですが」と答えると、再び最初と同じセリフがまた繰り返された。私はすぐにでも追い返そうかと少し迷ったが、思い直してこう尋ねた。
「うちがどんな商売をしているのか知ってます?」
「……いいえ」
「私もあなたの会社がどんな商売をされているのか知りません。とすると、ここで名刺交換をする必要がどこにあるんですか?」
「……」

 もちろん、「名刺を集めてこい」とかなんとか、理不尽折込済みの新人研修なのは想像がつく。彼女は方々で追い返されたり、時には怒鳴られたりしながら、理不尽の中にも何か大切なものをつかみ取るのかもしれない。そもそも名刺集めなんて本当はどうでもいいのかもしれない。送り出した上司だって新人に強い気持ちを持ってもらいたいだけなのかもしれない。でもそれがいきなり無礼な訪問を受ける私たちになんの関係がある?
 彼女は短い沈黙の後、「そうです……」と言った。
 このとき初めて、少しでもこちらのことを考えてくれたように思えて、「うちは本のデザインの仕事です」と、彼女に私の名刺を渡した。

 彼女が帰ったあとで、もらった名刺の社名を検索したら、人材派遣の会社だった(名刺には業種さえ書かれていなかったのです)。HPの「企業理念」にこうある。
「仕事は単なる収入の手段でしょうか? 私たちはそうは思いません。人は仕事を通じて創造力が刺激され、自分を成長させることが出来ます」
 こうした礼儀を欠いた研修を自社の新人にばかりか、訪問先にも強いるような会社の理不尽な要求に、彼女をはじめ若い人たちは戸惑っていることだろう。しかし今日、少しでも立ち止まって考えてくれた彼女の理性だか良心だかが、そんな理念なき会社を少しでも刺激し、成長させてくれればいいと願う。
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